【スポーツ・ラグビー】ラグビー用語にはためになる英語の単語や熟語がたくさん使われている。<ポジション編>

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ラグビーのポジション名は難しいものが多いですが、いい英語の勉強になります。日本での使われ方と違うものもありますので、このページでしっかり覚えてしまいましょう。

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フォワード (FW) とは

ラグビーのポジションは大きく前の部分と後ろの部分に分かれていて、前の部分はフォワード (FW)、後ろの部分はバックス (BK) と呼ばれます。

英語では、フォワードは Forwards で、バックスは Backs です。s がついているのは、「前の部分の人たち」、「後ろの部分の人たち」と複数形の意味をもたせるためです。

フォワードは8人からなります。

  • フロントロー Front Row (FR) :3人
  • セカンドロー Second Row (SR) :2人
  • バックロー Back Row (BR) :3人

Row は名詞で、「列」という意味です。発音は「ロウ」のような感じで、しっかり「ウ」の音を出すのがポイントです。「ロー」と発音すると「生の」という意味の raw と勘違いされるかもしれません。

フォワードの大きな仕事の一つはスクラムを組むことで、フォワードは三つのグループに分かれています。前から一つ目が「第一列」もしくは「フロントロー (FR)」、二つ目が「第二列」もしくは「セカンドロー (SR)」、三つめが「第三列」もしくは「バックロー (BR)」と呼ばれます。

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第一列 (FR)

第一列はフロントロー Front Row (FR) ともいいます。フロントローにはフッカー1人とプロップ2人がいます。

2019年RWC主要フロントロー
  • 左プロップ(背番号1):稲垣啓太、中島イシレリ
  • フッカー(背番号2):堀江翔太、坂手淳史
  • 右プロップ(背番号3):具智元(グ・ジウォン)、ヴァルアサエリ愛

フッカー (HO)

フッカーは英語で Hooker です。hook という動詞に er がつくことで、人を表す名詞として使われています。hook は「ひっかける」という意味の動詞です。フッカーはスクラムの際、入ってきたボールを足で「ひっかけて」スクラムの後方にボールを運ぶ役割があり、これが名前の由来です。

プロップ (PR)

プロップは英語で Prop です。この単語には動詞で「支える」という意味があります。フッカーを両側から「支える」のがプロップの役割です。

プロップは左プロップと右プロップがいて、それぞれ Loosehead propTighthead prop と呼ばれます。

loosehead の loose は「ゆるい」とか「ぐらぐらした」という意味の形容詞です。loosehead は「ぐらぐらした頭」と訳せますが、これは左プロップがスクラムを組む際に右肩のみを使い、頭は固定されない、ということを意味しています。

ちなみに loose は「ルーズ」ではなく「ルース」のような発音になります。

一方、tighthead の tight は「きつい」とか「ぴったりした」という意味の形容詞です。tighthead は「きつい頭」と訳せますが、これは右プロップがスクラムを組む際に両肩を使い、頭がぎっちり固定される、ということを意味しています。

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第二列 (SR)

第二列はセカンドロー Second Row (SR) ともいいます。セカンドローにはロックが2人います。

2019年RWC主要セカンドロー
  • 左ロック(背番号4):トンプソンルーク、ヴィンピー・ファンデルヴァルト
  • 右ロック(背番号5):ジェームス・ムーア

ロック (LO)

ロックは英語で Lock です。lock は「鍵をかける」や「固定する」という意味です。ロックは「スクラムを固定する役割」を担っています。

ロックはスクラムのほぼ真ん中に位置していて、フッカーとプロップを後ろから力強く押してスクラム全体を前進させます。ロックはスクラムの心臓部といえます。

また、ラインアウトでボールが投げ込まれる際にはロックがその的になります。

この二つの要素のため、強靭でパワーがありかつ背が高い選手がロックを担うことが多いです。

ロックには左ロックと右ロックがいて、英語ではそれぞれ Number-4 lockNumber-5 lock と呼ばれます。

スクラムで、左ロックは左プロップの後ろ、右ロックは右プロップの後ろになります。

右肩だけでスクラムを組む左プロップより、両肩でスクラムを組む右プロップのほうが重労働ですので、右プロップの後ろに位置する右ロックは左ロックより屈強なことが多いです。

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第三列 (BR)

第三列はバックロー Back Row (BR) ともいいます。バックローにはフランカー2人とナンバーエイトが1人います。

2019年RWC 主要バックロー
  • 左フランカー(背番号6):リーチマイケル
  • 右フランカー(背番号7):ピーター・ラブスカフニ
  • ナンバーエイト(背番号8):姫野和樹、アマナキ・レレイ・マフィ

第三列の選手を英語では loose forwards とも表現します。loose は「ゆるい」という意味の形容詞です。

フランカーとナンバーエイトはスクラムからボールが出たときにいち早くスクラムから離れてバックスと共に攻撃や守備に参加するので、スクラムの組み方としてはがっちりというよりはいつでも離れられるように「ゆるめに」組んでいるといえます。これが loose forwards の名前の由来です。

一方、フッカーとプロップ(第一列)とロック(第二列)はスクラムが崩れないようにがっちりと組むことが求められます。

フランカー (FL)

フランカーは英語で Flanker です。「側に位置する」の意味をもつ flank という動詞に er がついて人を表しています。

フランカーはスクラムの際には第二列のロック2人の外に配置されます。見方を変えればフランカーはスクラムという塊の一番外側にくっついている状態で、状況によってはスクラムからすぐに離れてボールをもつ相手にいち早く襲いかかります。

日本語ではスクラムの左側につくフランカーを「左フランカー」と呼び、右側につくフランカーを「右フランカー」と呼んでいます。

一方、英語ではサイドラインに近い側でスクラムを組むフランカーを Blindside-flanker と呼び、ピッチ中央に近い側でスクラムを組むフランカーを Openside-flanker と呼びます。

blind はこの場合「行き場のない」という意味の形容詞で、blindside は「行き場のない側」つまりサイドライン側ということです。openside は blindside の逆でピッチ上で大きくスペースがある側のことをいいます。

ナンバーエイト (NO8)

ナンバーエイトは英語では Number 8 もしくは Eightman と呼ばれます。

他の多くのポジションはその役割がポジション名になっていますが、ナンバーエイトだけ例外です。

フォワードを前から数えて8人目の選手がナンバーエイトです。

スクラムの一番後ろに位置してスクラムを強力に前進させたり、スクラムの後方に出てきたボールをスクラムハーフ経由でバックスにつなぐ役割をもっています。

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バックス (BK) とは

バックスは英語で Backs で、7人からなります。

  • ハーフバック Half Backs (HB) :2人
  • スリークォーターバック Three Quarters (TB) :4人
  • フルバック Fullback (FB) :1人

バックスの名前はバックスの選手たちがピッチ上のどの辺りに配置されているかに関係しています。

図のようにラグビーのピッチは大きく4つに分かれていますが、ピッチ全体にチーム全員の15人を配置する場合、フォワード8人はピッチの前半分、バックス7人は後ろ半分に配置されることになります。

バックス7人に関して、ハーフウェイライン(ピッチ中央の線)付近に構えるのがハーフバックの2人で、半分のピッチをさらに半分に分ける線の辺りに構えるのがスリークォーターバックの4人です。フルバックは一番後ろ、自陣のゴール近くに構えます。

スリークォーターは英語で three quarter で、意味は「4分の3」です。これは敵陣側のゴールラインから数えて「4等分されたピッチの3つ目」を指していて、それはすなわち上記の半分のピッチをさらに半分に分ける線のことを意味しています。

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ハーフバック (HB)

ハーフバックは英語で Half Backs です。ハーフウェイライン辺りのバックスというのが名前の由来です。スクラムハーフ1人とスタンドオフ1人からなります。

2019年RWC主要ハーフバック
  • スクラムハーフ(背番号9):流大、田中史朗
  • スタンドオフ(背番号10):田村優

スクラムハーフ (SH)

スクラムハーフは英語で Scrum Half です。スクラムハーフ自身はスクラムには入らず、スクラムのすぐ後ろにいます。そしてスクラムの後方から出てきたボールをスタンドオフらのバックスにすばやく回します。

スクラムと非常に密接に関係したハーフバックということがスクラムハーフの名前の由来です。

スタンドオフ (SO)

スタンドオフは英語で Stand off です。off には「~から離れて」という意味があります。

例えば Get off the road. は「道路から離れなさい」という意味で、道路近くで遊んでいる子供が親に叱られるときに言われそうな表現です。

スタンドオフは「スクラムから離れた場所に立っている」ということです。そうすることで戦況を判断し、スクラムハーフ経由で回ってきたボールを素早くバックスに供給してゴールを目指します。

フライハーフ

スタンドオフのことをイギリスなどでは Fly Half(フライハーフ)とよびます。Flying Half Back が元々の形でそれが縮まって Fly Half になりました。

Flying は「飛ぶ」という動詞 fly に ing がついた形です。Flying Half Back は「飛んでいるハーフバック」つまり「飛ぶような速さで相手陣内に切り込んでいく」様を表現しています。

このようなプレースタイルの選手が19世紀後半のウェールズにいて、その選手を Flying Half Back と呼んだことが始まりと言われています。

「離れて立っている」という意味のスタンドオフと、「飛ぶような勢いのハーフバック」という意味のフライハーフではどちらがかっこよく聞こえるでしょうか。同じポジションでもかっこいい名前のほうがいいですよね。

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スリークォーターバック (TB)

スリークォーターバックは英語で Three-Quarters です。これは「4分の3」という意味です。つまり英語の分数の言い方で、例えば「4分の1」は one quarter といいます。

よって、スリークォーターバックは4等分したピッチの3つ目辺りに構えるバックスということになります。

スリークォーターバックはウィング2人、センター2人で合計4人います。

2019年RWC主要スリークォーターバック
  • 左ウィング(背番号11):福岡堅樹、レメキロマノラヴァ
  • 左センター(背番号12):中村亮土
  • 右センター(背番号13):ラファエレティモシー
  • 右ウィング(背番号14):松島幸太朗

ウィングスリークォーターバック (WTB)

ウィングスリークォーターバックは英語で Wing Three-Quarter Back です。wing は「翼」という意味の名詞です。

センタースリークォーターバック (CTB)

センタースリークォーターバックは英語で Centre Three-Quarter Back です。centre は「中央」という意味の名詞です。

ちなみに centre はイギリスやオーストラリア英語の綴りで、アメリカ英語では center と綴ります。ラグビーはイギリス発祥なのでラグビーの記事等では centre と綴るほうが多いようです。

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フルバック (FB)

フルバックは英語で Fullback といいます。バックスの中で一番後ろに配置されます。full は「いっぱい」という意味の形容詞です。

2019年RWC主要フルバック
  • フルバック(背番号15):ウィリアム・トゥポウ、山中亮平
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