優勝スピーチ
大阪なおみが3度目の四大大会優勝を果たしました。
スピーチでは大坂なおみが大会期間中に使った7人の黒人犠牲者の名前がプリントされた7枚の黒いマスクについても語られました。
その場面の最初のやり取りは以下のようなものでした。
インタビュアー:What was the message you wanted to send?
(あなたが送りたかったメッセージは何でしたか。)
大坂なおみ:What was the message that you got?
(あなたが受け取ったメッセージは何でしたか。)
以下の動画で2分12秒あたりから、そのやり取りをご覧になれます。
インタビューをよく聞くと、大坂なおみが What was the message と言った後にほんの少しの間があるのがわかります。これは大坂なおみが What was the message と言った後に、その「ほんの少しの間」で何かを考えて、それから that you got と付け加えたということを意味しています。
この that は関係代名詞で日常会話で非常に重宝するものです。関係代名詞は名詞の後に置かれて、その名詞についての情報を付け加える役割をもっています。
結果的には「あなたが受け取ったメッセージ(message that you got)」と言ったのですが、もしかしたらもう少し違う形の言い方も選択肢にあった可能性があります。
社会が大いに注目している黒人差別問題の話ですから言葉を選ぶのは当然のことです。that you got と非常にシンプルな言い方にしたのも誤解が生まれないようにするための意図だったのかもしれません。
関係代名詞の使い方
もう一度スピーチでのやり取りをみてみましょう。
インタビュアー:What was the message you wanted to send?
(あなたが送りたかったメッセージは何でしたか。)
大坂なおみ:What was the message that you got?
(あなたが受け取ったメッセージは何でしたか。)
上記の2つの文は両方とも関係代名詞の文ですが、インタビュアーの文では you の前に関係代名詞 that が省略されています。

that は which でも構いません。
「修飾」の意味
国語の授業等でよく出てくる言葉に「修飾」があります。

例えば「昨日拾ってきた猫」という日本語は、名詞「猫」について、その猫がどんな猫なのか、詳しく説明している部分が「昨日拾ってきた」になります。
関係代名詞の役割
関係代名詞は名詞を修飾するときに使われます。
上記の大坂なおみの文の中にある message that you got で考えると、関係代名詞節の that you got が直前の message を修飾しています。

「関係代名詞節」とは関係代名詞を先頭にした複数の語のまとまりのこと。
message は「メッセージ」という意味の名詞で、これだけはどんなメッセージなのかわかりません。
しかし、that you got という関係代名詞節を後に付け加えることによって message that you got は「あなたが受け取ったメッセージ」という意味になり、内容がもっと具体的になります。
英語と日本語で決定的に違うことの一つに、関係代名詞による名詞の修飾方法があります。是非おぼえておきましょう。